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この4年間のストーリーを。|ボクシング男子71kg級 岡澤セオン選手
こんにちは。BASE FOOD note 編集部です。
ベースフードでは、健康的なカラダづくりやスポーツパフォーマンス向上の“ベースアップ”をサポートする「BASE UP SPORTS PROJECT」を展開しています。
今回は、同プロジェクトにご賛同いただき、サプライヤーとして継続的なサポートをさせていただいているボクシングの岡澤セオン選手(所属:INSPA)にインタビュー。
東京、パリと2大会連続五輪日本代表、世界選手権で日本人初優勝の快挙を成し遂げるなど、世界の第一線で戦ってきた岡澤選手は、自ら動いて数多くの企業とスポンサー契約を結び、日本で前例のない“プロのアマチュアボクサー”として活躍する側面も注目を集めています。今後アマチュアボクサーを目指す人たちにとってのロールモデルとして道を切り拓くとともに、楽しみ方や面白さといったアマチュアボクシングの魅力を発信するなど、様々な方面からアマチュアボクシング界を盛り上げています。
そんな岡澤選手に、パフォーマンスを向上させるために意識していることや、力を発揮し続ける秘訣について、「運動・食・睡眠」の3つの視点からお話を伺いました。
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練習量に圧倒される。
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編集部:
東京に拠点を移されましたが、日々のトレーニングや練習はどのようなスケジュールで取り組まれていますか?
岡澤選手:
月曜は午前中は走りで夜に練習、火曜は13:00頃から15:00か16:00くらいまで練習して、水曜は体の疲れが出るようになってきたので、2週間に1回は水曜も休みにしていますが、オフではない水曜は色々なプロのアスリートも参加するラントレ(ランニングトレーニング)に行っています。木曜は昼練習して夜に筋トレ、そして金曜は朝走って夜はこれが1番キツい練習なんですが「テラトレ」というフィジカルトレーニングをして、土曜は朝に練習、日曜はオフという感じで組んでいますね。
編集部:
1週間しっかりメニューを組んでトレーニングされているんですね。走り込みはだいたい何kmぐらい走られるのですか?
岡澤選手:
最近は長く走るようにしています。ゆっくりしたペースで10kmぐらいです。以前、海外へ合宿をした時に、強豪国の選手がかなり長い距離を走っていたんですよね。皆速くはないんですけど、本当に長く走っているんです。それを見て僕も長く走ることを実践してみたんですが、調子が良くなったので、それ以降メニューに取り入れるようにしています。
水曜のラントレはどちらかというと、インターバル走みたいな形で、1km8本とかを走って、少し休んでまた走って、と短い距離を繰り返し走るようなトレーニングですね。
編集部:
なるほど、走るトレーニングのやり方も違うんですね。金曜日の「テラトレ」が1番キツい練習と仰っていましたが、「テラトレ」とはどのようなトレーニングなんですか?
岡澤選手:
これは本当にヤバいです。「TERAトレーニング」と言って、もともと自衛隊のレンジャー部隊にいた人がやっていたトレーニングなんですが、もう本気でキツいですよ。「もういいよ!」「もう無理!」とか言いながら、正直もうちょっとキレながらトレーニングしています(笑)。時間的には1時間で終わるんですけど、もう本当に地獄の1時間ですね。
「テラトレ」は体を上手に使うためであったり、筋肉を上手により効率的に使うための練習メニューです。ボクシングはとにかく筋トレをして、食べて体をどんどん大きくして強くするというタイプの体づくりではなく、減量があるので体をあまり大きくできないスポーツなんですよね。僕ももうこれ以上階級あげたくないですし(笑)。なので、筋肉をつけるというよりは、今ある筋肉をどうより上手に使うか、効率良く使ったり発揮する力を大きくできるか、それが大事になってくるんです。
編集部:
先程海外で、ゆっくり長く走るというのをメニューに取り入れたと伺いましたが、他にも海外の合宿で刺激を受けたことはありましたか?
岡澤選手:
練習量ですね。とにかく、本当によく練習しています。日本人の中には、海外選手に対して「フィジカルが違うから」「素質が違うから」みたいに片づけてしまう方もいるんですが、でもそれだけじゃないと思いますね。僕自身もそういう風に言われてきたこともあるんですが、正直、日本人であろうが海外の選手であろうが、同じ練習をしたら同じぐらい強くなるって僕は思います。実際に海外選手の練習量を見て、改めてそう思いました。もう本当にフィジカルトレーニングに割く時間が長いんです。試合前以外は、ほぼフィジカルトレーニングですし、最初は「こんなにやっているんだ……」と衝撃的でしたね。でもそれを「あれは素質だから、フィジカルじゃなくて日本人はもっと技術で……」って言うんですけど、やっぱりそことしっかり向き合わないといけないなって、海外へ行って感じましたね。
中でもウズベキスタンは凄かったですよ。上まで10kmぐらいの山があるんですけど、1km走った後にすぐキツいフィジカルトレーニングをやって、また1km走ったらすごくキツいフィジカルをやって……というトレーニングをずっと続けているんです。本当にものすごくキツいメニューなんですが、彼らはそれを多分毎日のようにやっているんですよね。僕らは短期の合宿だからできますけど、これを毎日やっていたら本当に頭がおかしくなるなっていうことを平気で当たり前にやっているし、その向き合い方が違うなと感じましたね。
すべての面で、常にプロ意識を高く。
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編集部:
実際に体感したからこそ分かった驚きというか、大きな刺激になって、それが今のメニューに活かされているんですね。
岡澤選手:
そうですね。それこそ海外のアスリートは、ボクシング以外の部分にも気をつかっています。食べ物に関しても、肉の質とかもすごく気にするんですよ。以前、ウズベキスタンの英雄と言われている方が東京五輪、パリ五輪の日本チームのコーチをしていたんですが、そのコーチとロシアへ海外合宿に行った時は、ホテルのスープを一口食べて「全部変えてくれ。こんな肉は試合前の選手に食べさせちゃいけない」と言って、次の日に自分で市場へ行って肉を買って持ってきて「この肉で作ってくれ」って言うんです。ホテルでですよ(笑)。そして最終的には自ら厨房に入って自分で作り始めましたからね。それだけ妥協しないというか、意識が違うんです。これは良い物だからたくさん食べなさいとか、ナッツ類をいっぱい食べるように言われたりとか、本当にプロ意識が高いです。
逆に、ボクシングの技術という面では、日本人はものすごく高いと思うんですよ。本当に世界的にみてもトップ中のトップです。でもそれ以外の部分、フィジカルであったり食生活であったりが、まだ日本と海外では差があるんだなと、実際に行ってみてすごく感じました。
編集部:
日常的にプロ意識が染み付いているんですね。通常時と試合を控えている時ではトレーニング方法は異なるのですか?
岡澤選手:
試合に向けてで言うと、今までやっていて1番良かったのは、集中的にとてもキツいメニューをやる1週間を作って、それを何回かに分けて実践していくトレーニングですね。トレーニングキャンプみたいなものを何回かに分けて、1週間から10日間くらいやって、ちょっと休んで、また1週間か10日間くらいやって、というように集中的にキツいことをやる期間をきちんと作るんです。中途半端にキツいメニューを何週間も長く続けるよりも、すごくキツい、休む、すごいキツい、休む、みたいなリズムの方が良い調整になりますね。
編集部:
なるほど、集中と緩和みたいなリズムが合ってるんですね。ちなみに、岡澤選手はアウトボクシングのスタイルですが、このスタイルになられたきっかけは何だったんですか?
岡澤選手:
小心者だったからじゃないですかね(笑)。最初は「倒してやる!」という心意気でボクシングを始めて、やるなら派手にノックアウトしてやりたいなとは思うんですけどね。僕、人生初のスパーリングでは、めっちゃ打ち合っていたんですが、1年生同士でやり合って結果鼻血がダラダラ出て……その時「これは駄目だ」って思ったんでしょうね。打ち合いのスタイルじゃない、これをやっていても勝てないと。多分性格なんですよ。昔レスリングをやっていた時も、タックルでポイントを取るのではなくて、タックルを切るのが得意で、タックルを切って後ろに回ってポイントを取るみたいなスタイルだったんです。今のアウトボクシングのスタイルも、そういう性格からきているのかなって思いますね。
編集部:
動くのが得意だから、ではないんですか?
岡澤選手:
いやいや、全然そんなことないですよ。ボクシングは本当に性格が出るんです。他のスポーツとボクシングが違うのは、ボクシングって「怖さ」のあるスポーツで、どれだけ天才的な運動能力を持っている人でも、怖さの前ではそうはいかないというのがボクシングの面白いところなんです。普段静かな人ほど、実はファイターが多かったり、普段お調子者な人が、意外とアウトボクサーが多かったりしますね。ボクシングをしてみたら、本当に性格が分かりますよ。
ずっと昔から言っているんですが、僕は本当にビビりのお調子者ですし、意外と堅実というか、突拍子もないこともできないタイプです。僕自身はそれがコンプレックスというか、本当はクレイジーになりたいとかも思うんですけど、割と考えてから動くところがあって、そういう性格がアウトボクシングスタイルになっているんだなってすごく思います。なので、動き回るためにも、僕にとっては脚が命ですね。パンチよりも脚の練習の方が多いですよ。
良い減量は長期間のカロリーコントロール。
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編集部:
自身のアウトボクシングのスタイルや、先ほどお話にあった体を上手に使うためのトレーニングという部分でも、また減量という部分においても日々の食事というのがとても重要かなと思うのですが、食事に関して意識していること、気を付けていることは何かありますか?
岡澤選手:
わりと好きな物を食べてはいるんですが、なんとなくですけどビタミンが足りてないなとか、体が何かを欲している感じはありますね。最近お肉食べてないなと思ったら肉を食べに行ったり、これ食べてないなというのがあまりないように、偏りすぎないようには気を付けています。
でも極端な拘りとか、それによって食べたい物も食べられないとか、それをずっと考えないといけない時間とか、そういうことがすごくストレスにもなってしまうのも良くないと思っていて、そんなに気にして疲弊してしまうぐらいだったら、好きな物を食べて一生懸命練習しようっていう気持ちになります。ただ、体重計には毎日乗るので、体重は常にチェックして、自分の中で超えたらダメとというボーダーラインがあるので、そこを超えないようには気をつけています。
あとは、体質的に脂系が食べられなくて、揚げ物もあまり食べられないですよね。お菓子も全く食べません。なので、図らずも、健康的な食生活かもしれませんね(笑)。
編集部:
自然となのかもしれませんが、満遍なくバランス良い食生活なんですね。減量中などは、通常時の食生活とはガラッと変わりますか?
岡澤選手:
変わりますね。まず量がある程度減るのと、カロリーがあまり摂れないので、野菜を食べることがすごく多くなります。野菜はたくさん食べてもカロリーが少ないので、それが大きいですね。
それこそ減量中って、もう何もかもが面倒くさくなるんですよ、もうこの世のすべてが(笑)。カロリーを摂ってないので動けないので、基本はもう寝るか動かない、これが一番良いんです。その点で食事は、考える時間も料理をする手間も面倒ですし、昔から減量中になればなるほど、自炊が減っていくんですよね。ただ栄養は摂らないといけないので、とにかく色々なサプリ系とか飲み物を買って、それである程度済ましてしまう感じなんですけど、それこそBASE FOODのように1食に栄養がまとまっているものがあると面倒臭くないですし、特に減量中は本当に楽だし助かりますよね。
編集部:
確かに、カロリーを摂ってないと体力的にも気力の面でも動けないですよね。先程試合に向けて集中的にとてもキツいトレーニングを取り入れると仰っていましたが、そこは減量中でももう頭と体が切り替わって動けるものなのでしょうか?
岡澤選手:
いえ、切り替えることはできないので、体を動かせるようにするために、もうほぼ動かず寝てます。なので、食べるタイミングというのもすごく大事なんです。1日の1食を練習前にするか、それとも練習後にするかで体への反応が全然違いますからね。練習で動けるように練習前に食べてエネルギーにして、夜はひたすら我慢しようとか、ボリュームをうまく調節するようにして、練習でキツくならない状態にするようにしています。
編集部:
試合の計量は当日ですよね?
岡澤選手:
はい、僕らは当日です。それも辛いですよね。トーナメントなので、試合に勝ったらその次の日も同じ体重をキープし続けないといけません。それが決勝戦まで続きます。なので、試合が終わってもすぐに沢山食べることはできないんです。
編集部:
トーナメントで決勝までとなると、ずっとそれをキープし続けていくのはかなり辛いですよね。試合当日、計量が終わった後はちょっとは食べたりはするんですか?
岡澤選手:
ある程度は食べます。僕のウエイトは71kgなので、次の日試合の場合はできれば73.5kg(+2.5kg)くらいまでには抑えたいですが、大体いつも74kg(+3kg)くらいになってしまいますね。食べるよりも水分を摂ることの方が多いんですが、飲んで少し食べて74kgぐらいになって、そこから試合をして、1kgぐらい落ちて73kgぐらいになって、そこからまた練習してという感じです。その場でサウナスーツ着てちょっと汗を出して72.5kg。あと1.5kgは、宿舎でお風呂に入って1kg落として、そのまま何も食べないで寝る、みたいな感じです。なので、リカバリーができないんですよね、試合のダメージを回復する食事の摂り方はできないです。基本的に、夜は全く食べないで寝ます。
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編集部:
想像でしかないですが、日数の間隔もない中でg単位での調整を繰り返すというのは本当に大変ですよね……。食事よりも水分が多いとのことですが、どのような飲み物を飲んでいるんですか?
岡澤選手:
日本ではビタミン系のものとかが充実しているので、自分で調べて買ったりしていますが、海外では揃わないんですよね。真っ青とか真っ黄色のビタミンドリンクとかしかなくて、これ本当に大丈夫かな(笑)?と思ってしまうので、海外に行った時は果汁を摂っていますね。果汁も薄まっているものとかもあるので、海外での僕のルールは「1番高いフルーツジュース」を買うことなんです。海外だと「高さ=質」だと勝手に思っていて、スーパーへ行っても1番高い果汁を買ってきて飲むようにしています。
編集部:
試合の時のコンディションやパフォーマンスは、食事や飲み物でやはり変わってきますか?
岡澤選手:
はい、本当に全然違いますね。食べ物・飲み物でかなり変わります。ただ、どちらかというと試合中の期間よりも、大事なのは試合までの減量中の準備期間なんです。減量がうまくいくというのは、減量中にちゃんと栄養が摂れていて、きちんと練習ができたかというのが1番大きいかなと思います。
減量は大体試合の2ヶ月前から徐々に気にし始めて、目標として試合の2週間から10日前には一旦ほぼもう落ち切ったなというところまで体重を落としていきます。そこから10日間くらいは、僕の場合だとパリ五輪は71kg級だったのですが、試合の10日前くらいからは2kgオーバーの73kgくらいをずっとキープして、最後の前日とか前々日に残りを落としていった感じです。長い期間をかけて体に負担がかからないように、栄養も摂りながら減量するというのが重要なんですよね。
正直体重を落とそうと思ったら、1週間で7~8kgを一気に落とすこともできるんですが、そうやって無理に落とした時と、2ヶ月間かけてゆっくりと落とした時とでは全然パフォーマンスが違うので、大事な大会の時は時間をかけてゆっくり落とすように気を付けています。
編集部:
減量中からすでに試合が始まっているんですね。減量中に特に気にして摂るようにしている栄養素や食材というのはありますか?やはりビタミンですかね?
岡澤選手:
そうですね、ビタミン系は欲しいですね、あとは減量をすると貧血になりがちなので、鉄分も必要です。でも、何か特定の栄養素というよりも、全体的なバランスが必要なんじゃないかなと思います。満遍なく偏りなく栄養を摂りたいです。結局、BASE BREADのような物がないと、何か特定の栄養素を狙って摂るしかなくなるんですよ。もちろん不足しがちな栄養素をピンポイントで摂るのも良いんですけど、1個のものから1個か2個くらいの栄養素しか摂れないとなると、じゃあ5個の栄養素を摂りたいってなったら4個とか5個も食べないといけないじゃないですか。そしたら単純に4倍、5倍のグラム数になるわけですよ。結局最終的にはグラム数の勝負になるので、1個に複数の栄養素が入っていたら、それが一番グラム数を抑えることができるので、その方が断然良いですよね。
編集部:
確かに、食べ物の重さがダイレクトに体重に反映されますもんね。
岡澤選手:
500g飲んだら本当にきっかり500g増えるので、だからもう最後は、食べ物を持って体重計にのって測ります。持って測って、これなら食べて大丈夫だなって。最初はカロリーで落とすんですけど、後半はカロリーが体に反映されるのにちょっと時間かかるので、最後の方はグラム数で減量します。なので、できるだけ軽くて栄養が沢山はいっているものに越したことはないです。栄養がバランスよく入っていてグラム数が軽いものが最高です。
ちゃんとダイエットしたいなら。
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編集部:
BASE FOODを知った時は、どういう印象でした?
岡澤選手:
いや、もうボクサーのための商品でしょ!と思いましたよ。ボクサーとか減量が必要なプレイヤーに向けて作られたんじゃないかと思うぐらい、親和性というか、正にこれでしょう!という感じでした。
編集部:
食べてみた感想はいかがでしたか?
岡澤選手:
色々食べてみましたが、BASE BREAD カレーも美味しかったですし、あと僕は普段あまり甘いものは食べないんですけど、BASE BREAD メープルは今も結構食べています。甘いって感じではなくて、自然な甘みで美味しいです。悔しいのは、昨年のベースフードさんのイベント出演時に「アレンジがんばります!」って言ったんですが、まだアレンジレシピに着手できていないことです(笑)。今日の取材までにやりたかったんですけどね。やはり楽だし、そのままで美味しいので、そのままパクッと食べてしまうんです。でもその手軽さが良いところですよね。
編集部:
アレンジレシピ、是非またお時間がある時にチャレンジしてみてくださいね。ご報告お待ちしています(笑)。
ボクサーなど減量が必要な方にもぴったりとのことでしたが、他にどういった方におすすめできると思いますか?
岡澤選手:
時間がない人にはぴったりですよね。僕は料理が趣味なんですが、オフの日にボクシングのことを全く何も考えないで、次これやって次これやってって、集中できるのですごく好きなんですよ。気持ちもリフレッシュしますし。でも、料理は基本ずっと立ちながらの作業ですし、買い物にも行かないといけないし、そういう面では体力的にも疲れますよね。時間もかかりますからね。なので疲れがちな人とか、忙しい人とか、そういう時にパッと食べられるのは良いですね。
あとはダイエットをしている人にもおすすめです。ダイエットって短期で減量をしちゃう人が多いんです。僕の場合は、先ほどもお話しした通り、大事な大会に向けては1日に消費するカロリーよりも少ないカロリー数を摂取していく、つまり長期で摂取カロリーをコントロールしていくのできちんとダイエットできるんです。摂取カロリーが体に反映されていくのには時間がかかるので、カロリーで体重を減らした時は、戻る時もカロリーを摂って戻っていくしかないんですよね。逆に言えば、短期で減らしたら短期に戻ってしまう。カロリーで長期で落とせば落とすほど、長期でしか戻らないんですよね。多くの皆さんがやっているダイエットはただ水分を抜いているだけであって、極端な話ですが、今日5kg減らしたら明日また5kg戻ってしまうんです。
そして、長い時間をかけてちゃんとしたダイエットをしたいのであれば、きちんとバランスよく栄養を摂らないと長くは続かないです。栄養はダイエットに絶対必要です。でも、ダイエットをするためにカロリーも気にしながら、且つ栄養バランスも考えられた料理を自分で作るとなると、結構難しいですよね。知識もテクニックも必要ですし、時間もかかります。だからこそ、BASE FOODのように1つの中に栄養がバランスよく含まれている食品は、ちゃんとダイエットをしたい人にはすごく良いと思います。
睡眠の影響は翌日。
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編集部:
ありがとうございます。次に睡眠についてもお伺いしたいのですが、岡澤選手は良い睡眠をとれていますか?
岡澤選手:
最近はちょっと良い睡眠がとれてないですが、基本的にはものすごく眠ります。昼寝もしているので1日のトータルで言うと12〜13時間とか眠っていると思います。僕は寝ないと駄目なんですよね。アスリートって忙しそう、大変そうと思われるんですが、練習以外の時間ではそんなにやることはありません。例えばお仕事されている方は1日8時間とか働いてらっしゃると思いますが、世界を見てもボクシングの練習で1日8時間やる人はゼロです。これは100%言いきれます。そう考えると、比較的時間はあるんですよね。なので睡眠に割く時間が多いんです。もちろん体力的にキツいから休ませるというのもあるんですが、合宿に行っても多くの選手は昼寝をよくしてますよ。
編集部:
ぐっすりと眠れるタイプですか?寝具や照明など何か拘っていることはありますか?
岡澤選手:
わりと眠れているとは思います。でも、音があると眠れないですよね。明るいのも駄目です。僕は常に戦えるようにしてるんですよ(笑)。いつでもいかなる時でも、眠っていても、音が鳴ったら絶対に起きます。アラームで起きられなかったことはないくらいです。無理な話ではあるんですが、できれば無音で真っ暗なところが良いですね。結構敏感なタイプなんだと思います。
編集部:
海外へ行かれると環境が変わると思うのですが、そういう時や、試合の前日でも眠れるタイプですか?
岡澤選手:
海外でも関係なく眠れますね。ただ、他選手との同部屋になるので、相手がトイレに行ったら必ず目も覚めますし、何回も目が覚めることはあります。そこまでストレスには感じないですが、そういう面では日本にいる時と比べたら、海外での生活では熟睡できてないのかもしれません。
試合の前だから眠れないってことはないです。ものすごく緊張していたとしても眠れます。日本に帰ってきて時差ボケで眠れないとかはあるんですが、メンタルの状態で眠れなくなるとかはないですね。
編集部:
もともとよく眠ると仰っていましたが、睡眠は体調やパフォーマンスにも影響しますか?
岡業選手:
全然違いますね。睡眠が一番短期間で体に影響が出てしまうと思います。食事は長い時間をかけて影響が出てきますけど、睡眠は1日でも寝なかったら絶対2日目に影響出ますからね。すごく体に悪いものを2日連続で食べたとしても、3日目にダウンするみたいなことはあまりないかもしれないですが、睡眠はたった1日眠らないだけで、次の日のパフォーマンスが大きく低下します。睡眠の量と質はとても大事だと思いますね。
3分3Rの魅力。
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編集部:
最後に、アマチュアボクシングの魅力と、これからの夢や展望を教えてください。
岡澤選手:
まずボクシングの魅力は、先ほどお話しした通り「性格が出る」ところだと思っています。それぞれの性格が出るからこそ、ボクシングスタイルも十人十色あって、それぞれに好きなスタイルがあると思います。殴り合うのに抵抗がある方もいるかもしれないですが、アウトボクサーのようなボクシングスタイルとか、本当に美しいスタイルのボクサーたちも沢山いるし、逆に攻撃的でアグレッシブに打ち合うのが好きだったら、パンチをもらい続けながらも必死で当て返すっていうボクサーもいます。圧倒的に強い人ももちろんいるし、前に出るけど全くパンチをもらわない人もいれば、後ろに下がってもパンチをもらってしまうボクサーもいる。色々な特徴やスタイルを持ったボクサーがいるので、絶対に好きなボクサーが見つかると思います。
特にアマチュアボクシングは「3分3R(ラウンド)」と短い分、本当に最初からフルスロットルなんです。だからこそ明らかにその選手のスタイルが出ますし、見ていて分かりやすいので、そこがアマチュアボクシングの面白いところかなと思います。あとは、3分3Rっていうパッケージは見やすいですよね。採点は相手にパンチを当てた数で決まるので、一緒に当てた数を数えながら観るのも面白いと思います。ルールや基準が分からないという方も多いとは思うんですが、分からないからこそ面白いというか、僕らトップ選手が見ていても当たっていたか当たっていなかったかの見解は分かれてきますし、自分なりのジャッジをしながら観るというのも面白いと思いますよ。なので、是非お友達と一緒でも良いですし、自分が好きなスタイルを見つけながら観戦してみて欲しいですね。当てた、当たっていないって言いながら、自分の好みやゲーム感覚で楽しめるスポーツなのかなと思います。
この4年間のストーリーを見て欲しい。
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岡澤選手:
展望で言うと、2028年のロサンゼルスオリンピックを目指しています。もちろん金メダルを獲るつもりでやります。マネジメント会社さんの繋がりもあり、他のスポーツ選手と触れ合ったり会話する機会も多くなってきた中で、他の競技も見るようになったんですよね。他の様々なアスリートを見るようになって、初めてその人のストーリーを知っているか知らないかで全然面白さが違うことに気づいたんです。やはりその選手のバックグラウンドやこれまでの道のりなどを知ると、本当に感動するんですよね。
スポーツの価値というのは、純粋に「出来なかったことが出来るようになる」ことにあると思うんです。その出来るようになった回数が人よりも多い人、積み重ねてきた人が金メダリストなわけです。みんな生まれた時は赤ちゃんでハイハイしているんですよね。最初のハイハイのスピードはみんな同じで差がなかったのに、ウサイン・ボルト選手は9秒台で走ってしまう。これがすごいんですよ。もちろんそれは才能でもありますが、そこに努力の跡を感じるから感動するんですよね。みんな最初は一緒だったはずなのに、誰よりも努力して出来るようになった結果なんです。どんな競技にしろ、出来なかったことが出来るようになることにスポーツの意味や価値があると思っていて、だからこそそこまでの過程を見せていくこと、ストーリー知ってもらうことが大事かなと思うんですよね。
昔のボクサーは勝ちも沢山ある一方で、負けも沢山あったりして、みんなそこに熱狂していたと思います。辰吉さんとか、山中さんとかも、負けたけれどそれも含めたストーリーに感動していたんですよね。金メダル取りましたとか世界チャンピオンになりましたとか、そういう輝かしい部分だけにフォーカスが行きがちですが、それだけではスポーツの価値は伝えられないし、不要なものになってしまうなと思っています。だからこそ、もちろん金メダルを獲るつもりでいますが、パリオリンピック後からロサンゼルスオリンピックまでの4年間、僕がどのように歩んで、どういう結果になるのか。その一部始終のストーリーを見てもらえるような4年間にしたいと思っています。その4年間にこそスポーツの価値があると思いますし、東京オリンピック、パリオリンピックと負けた僕が、この4年間をどう歩むのか。仮に敗れたとしても、そのストーリーを見ていただけたら、何か伝わるものはあるかなと思うんですよ。
逆に言えば、金メダルの意味もそのストーリーを見てもらうためなのかもしれませんね。金メダリストたちは人を感動させられることができますが、負けた人たちも、きっとその周りの人たち、その道のりを知っている人たちは感動していると思うんです。その結果が金メダルであればもっと感動すると思いますし、なので色々な人に僕のストーリーを見てもらって、何か伝えられるような4年間と、4年後の結果にしたいなと、思っています。
編集部:
貴重なお話をありがとうございました。岡澤選手のアマチュアボクシングへの熱い思いやロサンゼルス五輪への覚悟も伺うことができ、スポーツの魅力であり価値を改めて感じることができました。この4年間の岡澤選手のストーリーに注目していきたいと思います!そして、少しでもお力になれるよう、ベースフードも岡澤選手のストーリーに寄り添っていければと思っています。本当にありがとうございました。
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