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自分は自分の体を分かっている。|JRA日本中央競馬会所属 斎藤新騎手

こんにちは。BASE FOOD note 編集部です。
ベースフードでは、健康的なカラダづくりやスポーツパフォーマンス向上の“ベースアップ”をサポートする「BASE UP SPORTS PROJECT」を展開しています。
今回は、同プロジェクトにご賛同いただき、サプライヤーとして継続的なサポートをさせていただいているJRA日本中央競馬会に所属する斎藤新騎手にインタビュー。パフォーマンスを向上させるために意識していることや、力を発揮し続ける秘訣について、「運動・食・睡眠」の3つの視点からお話を伺いました。

斎藤新(さいとうあらた)騎手|茨城県出身。2019年の競馬学校卒業時にアイルランド大使特別賞と模範賞を受賞し、同年にJRA栗東の名門『安田隆行厩舎』から騎手デビュー、10戦目に同期で1番乗りの白星を挙げる。更にJRAで42勝を挙げ「JRA賞最多勝利新人騎手」「中央競馬年間ホープ賞 関西」受賞。加えてルーキーイヤーにホープフルSでG1初騎乗を果たしている(G1騎乗には通算31勝以上が必要)。 <経歴> JRA競馬学校騎手課程‐JRA栗東 安田隆行厩舎

レース当日は決まったルーティンで。

編集部:
週末はレースに出られていますが、平日の日々のトレーニングや練習はどのようにされているのか、1日のスケジュールを教えていただけますか?

斎藤騎手:
夏と冬とで朝の時間は変わるんですが、冬の時期ですと朝7:00から仕事なので、大体5:30くらいには起きて身支度をして家を出発し、軽くウォーミングアップをしてから、割り振られた馬に乗って馬の調教をします。個々で変わるんですが、1日で平日は3~4頭ほど調教をつけて、それがお昼頃に終わるので、そこから朝食兼昼食を食べて、お昼過ぎからはトレーナーさんをつけているジョッキーはトレーナーさんを呼んでトレーニングをするという感じです。その後は自宅に戻って、そこからはもうオフですね。
僕はトレーナーをつけていて、1週間に2回トレーニングや体のケアだったり、マッサージ的なこともしてもらっています。実際に僕が騎乗しているレース映像をトレーナーさんに見てもらい、自分の体の動きの可動域苦手な動きなどを分析してもらいながら、僕の体に合ったトレーニング方法やストレッチ方法などをマンツーマンでやってもらっています。

編集部:
騎手の方は体幹ですとか、様々な部分の強化が必要なのかなと思うのですが、特に斎藤騎手が今力を入れてトレーニングされている箇所などはありますか?

斎藤騎手:
僕らの仕事は、職業的に体重が重くなってはいけません。一般的なフィジカルのトレーニングをしてしまうと筋肉がついて体が重くなってしまうので、皆さんがイメージされている筋トレとは全く違うトレーニングをしていると思います。体の使い方をメインとしたトレー二ングなので、きつい動きだけではなくて、バランス感覚を鍛えるトレーニングをメインにやっていますね。イメージはヨガに近いかもしれないですが、口で説明するのが難しい動きです。変な動きをしてますね。絶対この動きは普通ではしないだろうみたいな。体幹を鍛えるために、片足の運動とかバランスのトレーニングをしています。

編集部:
馬に乗る調教の時間は、どのような点に気を付けていますか?

斎藤騎手:
馬の上に乗ると、暑さや寒さによって体のコンディションや体の動き方も変わってくるので、今日は股関節がちょっと調子悪いな……など、体の変化を日によって分かりやすく感じます。その体の変化に応じて、股関節や肩などの可動域をストレッチをしながら改善していくという感じです。基本的には調教が終わってから、昼間に自分でストレッチだったり器具を使ってマッサージをすることが多いですね。

編集部:
鍼治療なども受けられていると伺いましたが、体のケアも色々と定期的にされていらっしゃるんですか?

斎藤騎手:
そうですね。鍼もジョッキーによって効果があったり合わない人もいますが、僕は鍼治療の効果が出やすいタイプなんです。体の張りだったり、体全体のむくみだったり。診てもらっている先生たちにも、体にすごく出やすいねと言われます。

編集部:
自分に合ったケアの方法があるのは良いですね。騎手の方はレースの前日に、体調管理や外部との接触を避けることを目的に調整ルームに入られるとお聞きしましたが、調整ルームに入ってからはどのように体のコンディションを整えるのでしょうか?

斎藤騎手:
調整ルームへは、レースの前日金曜日の夜21時までに入室しなければいけないという決まりがあります。入室してからは携帯電話も預けたり、外部との通信も一切遮断されるので、JRA側から支給されるタブレットしか手元にないような状況です。なので、金曜日はもうほとんど言って良いほどサウナにずっと入っていますね。僕は体が重い方なので、本当にずっと入っています。イメージされているサウナというよりかは、通常のサウナよりも温度は低めで、浴室がサウナになっているような状態なのですが、クールダウンを入れながら長い時間ずっと入っている感じです。

編集部:
レースの当日や合間というのはどのように過ごされているんですか?

斎藤騎手:
レース当日は、朝起きてからまずもう1回サウナに入り、大体1時間くらい汗取りをしてから、ジョッキーの控室へ移ります。そこではメディカルの先生にマッサージもしてもらえますし、あとはマッサージ器具も色々と揃っているので、そこで最後の体の調整をして時間になったらレース場へ行くという感じです。

編集部:
レース当日の日や前日というのは、体をアクティブに動かすというよりは体の調整をメインに行われるんですね。パフォーマンスを向上させるために積極的に取り入れていることなどはありますか?

斎藤騎手:
朝のストレッチの仕方はルーティンがあり、全て流れが決まっています。ストレッチ用ポールで体の軸を整えたりとか、僕は右の股関節がちょっと硬いので右と左で違う動きをして整えたり、股関節の入り方を整えたりということをしています。体の細部まで丁寧に、騎乗姿勢をとる上で自分が1番乗りやすいフォームが作れるように調整をしています。

編集部:
騎手の方は1日に10レースなど多くの数のレースに出られますが、斎藤騎手は最大何レースまで出られたことがありますか?

斎藤騎手:
僕は1日で最大11レースです。7レースとか8レースとかで間が空くよりも、ポンポンポンと続けて乗った方が体の疲労に気付く前に乗ることができるので、僕はそちらの方がむしろ楽だなとは思います。ただ、人によってはもう土日で20何頭とか、もう本当にすごいなと思いますね。
歩けないレベルではないですが、最大11レースですら体がバキバキです(笑)。トレーナーさんは土日も競馬場にいてくださるので、マッサージをしてもらったりとか、サウナで自分でストレッチをしてほぐしたりもしているんですが、次の日朝起きたら体がやっぱり痛いな……というのはあります。でもずっと馬に乗っているのが基本なので重症にはなることはないですね。それも含めて体も慣れてきているんだと思います。

平日は無制限、週末はグラム単位。

編集部:
日々の食事に関して意識していることや気を付けていることはありますか?

斎藤騎手:
「ウエイトを気にして食事を制限する」ということはあまりしたくないんですよね。どうしても土日はストレスがかかる仕事なので、楽しみは食事くらいしかありません。なので、日曜日の競馬終わりから木曜日の夜までは、自分が好きなものを食べるようにしています。逆に、金曜日から日曜日の競馬終わりまではほとんど何も食べられないです。

編集部:
自炊はあまりされないとのことですが、外食も多いですか?

斎藤騎手:
自炊は全然しないですね(笑)。1人で外食するということはしませんが、家の近所に同期だったり同じジョッキーの人たちがいっぱいいるので、あとは厩務員さんや調教助士さんだったりがご飯に誘ってくれたりもするので、一緒に外食することも多いです。
メニューは特に気にすることなく、好きなものを食べています。ジョッキーは少量しか食べないとか、そのようなイメージがあるかもしれませんが、意外とみんな食べるんですよね。1日の食事は朝食兼昼食と夜で1日2食。朝昼は調教施設に食堂があって、そこで寮母さんが作ってくれるご飯を食べさせてもらっています。

編集部:
騎手として、なにか意識して摂るようにしているものはありますか?

斎藤騎手:
僕は鉄分とビタミンを意識して摂るようにしています。減量するので貧血であるとか、体内の水分量が本当に足りなくなるので、ビタミンを摂取することは本当に大事ですね。体がよくつってしまうと相談したらビタミンが大事ということを聞いて、それからはサプリを摂ったりとか食事でも補うようにしています。

編集部:
金曜日から日曜のレース後まではほぼ食べられないということでしたが、あまり食べない状態でもハードなレースに出続けるとなると、消費エネルギーを蓄えておくことも必要かなと思うのですが、レース前日や当日はパフォーマンスを高めるためにどのようなものを食べているのですか?

斎藤騎手:
グラムが少なくてカロリーが高い物。甘い物とかチョコレートとか、そういう物が多いです。あとはゆで卵とか小さいおにぎりを1つとか、そういうものしか食べることができません。これも個人差なので、もちろん食べられるジョッキーもいますし、僕は体重が重い方なのであまり食べることができないんです。体自身が感じ取っているというか、本当に自分が自分の体を分かっているので、食べようと思っても全然食べられないですよね。食欲も全然わかないですし、いざ食べれますという状況になっても、平日に食べている量なんかは全然食べられないくらい体が受け付けないんです。
ただ、水分は摂るようにしています。水分がないと本当に体がしんどくなりますし、僕は食べるよりかは飲みたい派ですね。100グラム、200グラムの世界戦なので、同じ100グラム食べるんだったら100グラム飲みたいなという欲の方が強いです。

編集部:
グラム単位の世界なんですね。例えば、ちょっとご自身の体に合わなかったなとか、これはちょっと失敗だったなみたいな食事法はありましたか?

斎藤騎手:
元々は結構辛いものが好きなんですが、胃への刺激が強かったりするので、あまり辛いものは食べなくなりましたね。競馬場にも辛いメニューがあるのですが、以前競馬中に食べてしまって胃が痛くなったことがあり……もう全然駄目でしたね、失敗したなって思いました。それからは比較的胃に優しいものを食べるようになりましたね。

編集部:
なるほど、好きだったとしても状況によって体に合う・合わない食事を見極めるのは大事なことなんですね。平日の食事量は一般的な成人男性が食べる量くらいを食べられるんですか?

斎藤騎手:
皆さんがイメージしているよりも結構食べているとは思うんですが、一般の方に比べたら食べる量は少ないかなとは思います。特に気にすることなくお腹いっぱいになるぐらいまでは食べていますが、1人前はあまり食べられないですね。すぐにお腹がいっぱいになってしまうので、ラーメンも1人前は食べられないくらいです。
量は一般的なものですが、ヨーグルトは毎日食べていますね。どうしても無理な減量、キツい減量をする中で便通の調子が悪くなりやすいので、意識的にヨーグルトは食べるようにしています。

ジョッキー仲間からも。

編集部:
確かに厳しい減量は腸への影響も出てきそうですね。ヨーグルトであったり、先ほど鉄分やビタミンをよく摂るようにしているともお聞きしましたが、この度、健康面から私たちもサポートさせていただくことになったわけですが、完全栄養食「BASE FOOD」はご存じでしたか?1食で1日に必要な栄養素の1/3が全て摂れるということを知ってどのように思いましたか?

斎藤騎手:
コンビニなど身近に売られているので知っていましたし、気にはなっていました。でも自分で買ってみるという機会がなく、正直なところ最初のイメージ的には、言い方が良くないかもしれませんが“体に良いものはおいしくない”みたいなイメージがあったんですよね。
でも、今回いただいて食べてみたら本当においしくて、しかもこれでこんなに体に良いんだ!というのが第一印象でしたね。自分でも無理なく続けられるなと感じましたし、それこそ朝早くて時間がない時でもベースフードさんのパンとかをつまんで行けるようにもなったので、それはすごい良かったなと思います。僕が好きなのは、チョコレートのマーブルのパンですね。

編集部:
BASE FOODは特にどういった方におすすめできると思いますか?騎手の方にもおすすめできますかね?

斎藤騎手:
僕は独身でほとんど自炊もしないですし、どうしても外食が多くなってしまうのですが、そういう食事が偏りがちになる人たちにも良いと思います。1つカップラーメンを食べるにしても、そこをBASE FOODに変えるだけで、体に良くなると思いますしね。
ジョッキーの仲間にはおすすめしています!僕がInstagramにアップしたら、同期のジョッキーから「僕も欲しいんだけど」「サプライヤー契約したいんだけど」といった声も多かったですし、トレー二ング・センターの中でも気になっている方は多いと思いますよ。「新が紹介していた商品ほしい」とか「食べてみたい」と言ってくださる方が多かったので、皆気になってはいるけど試すきっかけがなかったのかなと思いますね。

夢は見たいけど。

編集部:
朝はとても早いと思うのですが、夜は大体何時くらいに眠りますか?

斎藤騎手:
22:00か23:00くらいには寝ていると思います。習慣的に昼寝をするというのもありますが、僕はあまり寝なくても大丈夫なタイプですね。逆に寝すぎるとちょっと頭が痛くなったりするので、あまり寝すぎないように気を付けています。ベストな睡眠時間は大体5時間くらいかなと思いますね。一般的には短いかもしれませんが、僕は5時間寝たら結構寝たなという感覚です。昼寝は疲れ具合にもよりますが、20分くらいでは起きるようにはしていて、昼寝もあまり寝すぎると、ちょっと体がだるくなってその後動けなくなってしまうので。

編集部:
睡眠の質は良い方だと思われますか?

斎藤騎手:
自分の中では睡眠の質はとても良いと思ってますね。寝つきも早いですし、寝起きもすごく良いんですよ。本当にぱっと起きられますし、夢もあまり見ることもないので、結構深い眠りをしているのかなとは思います。目をつぶって気が付いたらもう朝になっていて……「もう朝かよ!」みたいな。夢を見た方が寝た気分になるので、夢は見たいですけどね(笑)。
枕とマットレスに多少は気を使っていますが、僕は環境が変わってもすぐに寝れるタイプで、移動中もすぐ寝れますし、あまり睡眠で苦労したことがないというのは恵まれているかもしれないですね。レースの前日でも全然寝れますからね。

編集部:
メンタル部分で、自分なりのリフレッシュ方法や気分の切り替え方はありますか?

斎藤騎手:
メンタルは結構ズタボロになります。レースが終わった日曜日は競馬のことをできるだけ考えたくないので、皆でご飯へ行ったりとか、少しお酒を飲んだりして気持ちを紛らわしています。やはり1人でいるとどうしても考えてしまいますし、考えていたら病み気味になってしまうこともあるので(笑)。
またリフレッシュとしては、仲の良い3つ上の先輩がいるのですが、平日のオフで家にいる時は先輩と一緒にゲームをしたりもします。ゲームをしている間はゲームのことしか考えていないので、その間はすごく良いリフレッシュになっているのかなと思います。

編集部:
メンタル面もですが、心身の健康や運動の方法などは、どこから情報収集をされて参考にすることが多いですか?

斎藤騎手:
僕を見てくださっているトレーナーさんは、外国のジョッキーの方や大先輩のジョッキーの方を見ているトレーナーさんなんですよね。ジョッキーの体の作り方もすごく分かってくださっているトレーナーさんなので、トレーニングの内容やマッサージの内容に関しては、ほとんどそのトレーナーさんに全任しています。あとは先輩に良いジムありますかとか聞いたり、ほとんど同じ職種の先輩に聞くことが多いですね。

編集部:
貴重なお話をありがとうございました。騎手の方は、厳しい食事管理をされているイメージでしたが、普段の食事は楽しみつつ、レース前や当日は厳しく制限しながらも、それを苦に感じるのではなく、“自分が自分の体を分かっているから”と表現されていたこと。そして体やマインドの全てをレースに向けて集中されているプロ意識の高さと強さ、それを淡々と力強くお話いただく姿がとても印象的でした。これからのご活躍を心より応援するとともに、ベースフードも全力でサポートをさせていただきます!


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最後まで読んでいただき誠に有難うございます!今後ともベースフードをよろしくお願い致します。