2025“宣言”|COO 川南圭一郎
こんにちは。BASE FOOD note 編集部です。
「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」をミッションに掲げ、2016年の創業から8年が経過したベースフード。本記事では「2025 “宣言”」として、ベースフードのCOOである川南圭一郎に、2024年の振り返りと2025年の抱負や展望を聞きました。
2023年のリコールは避けて通れない。
編集部:
2024年の総括と印象に残っている出来事など、どんな1年だったか教えてください。
川南:
2024年は大きく2つの目標をもって事業に取り組んできました。
一つは、ユーザー様に「かんたん、おいしい、からだにいい」をより良いかたちで提供したいという事、もう一つは「健康があたりまえ」になる社会を実現するために当社のユーザー様数を増やしていきたい事、の2点です。
この目標達成を推進する中で、組織と事業の転換期に居るな、というのは強く感じています。象徴的な事象として、2023年のリコールがあったと捉えています。あの出来事は、当社の意思決定プロセスだったり、会社の文化であったり、管理プロセスなど、色々あったものが積もり積もって噴出した出来事だと分析をしています。まずは食品会社として社会的な責任を果たすため、この1年は社内の守備面の強化に取り組んできました。
代表的な事例だと、社員の皆さんにも影響があった話では、社内の評価制度やその他の社内制度等々も見直していきました。
編集部:
評価制度もそうだったんですね。
川南:
組織課題の議論をしている中で、会社の文化を決める評価制度自体に課題があると捉えました。以前の評価制度は、短期間の成果で評価や給与が決まり得る実態もあり、これの全てがダメなわけではないのですが、中長期的に安全性や品質を高める事に拘れなかったり、評価期間内に新商品を絶対リリースしなければ、というような従業員の行動を促していた側面はあったと思います。
もちろん、安全性や品質という一番大事なものを完全に疎かにしたわけではないですが、昨年の出来事と合わせて振り返ると、短期的な成果のみを評価する事はやはり「食の安全」に責任を持つ企業としては相応しくないと捉え、今回思い切って変えることにしました。この話はすごく内向きな話ではあるんですけども、それは結果的に社外のユーザー様や取引先様に対して真摯に向き合えるように組織の根っこにある文化を変えていく、という重要な転換点として捉えています。
振り返ると守備的な一年ではありましたが、攻めの動きを完全に止めたわけではなく、例えばおいしいものを出すという目標においては、パンケーキミックスやBASE BREADのこしあんといった今までの商品と比較してもおいしいと言える商品を販売することができましたし、これらはユーザーさんからもとても好評をいただいています。
他にも技術開発への投資面においても、よりベースフードの全粒粉を美味しくしよう、というような取り組みに対しての投資は止めてはいないです。またこれも象徴的だとは思うんですが、「SBIR(農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業)」という国の補助事業に選出いただけたことも大きな出来事だったと捉えています。
「成長」と「遊び」を。
川南:
一方でできなかったことも色々ありました。一番大きかったのは、期初にマーケットに対してお約束した売上と利益目標を下方修正したことです。大きな要因としては惣菜パンの早期棚落ちがあるんですが、それは売れるか売れないか分からないものが事業計画の大きな部分を占めてしまっていて、仮にユーザーさんに受け入れてもらえなかったときの代替計画ができなかったというのは経営の問題です。そういった地に足ついたことをちゃんとやっていくということ。それができなかったのは大いに反省だと思っています。
編集部:
2024年、ひいては2023年の流れから2025年の目標が続いているということですね。
川南:
はい、連続です。一言、2025年をどんな年にするかと言えば「成長」だと思います。色々な成長があると思いますが、会社の成熟度という部分を「成長」させていかないといけないと思っています。事業や組織の成長とは、代表の橋本や経営層が、こうやれと言って成長するものではなくて、従業員全員が自発的に成長できるような仕組みを会社に作らないといけない、と考えています。「かんたん、おいしい、からだにいい」を目指し「健康をあたりまえ」にするベースフードのミッションは、1人1人が成長しないと辿り着けない高い目標です。
そのための第一歩は、安全な製品をより多くのユーザーさんにお届けする、という部分がまずあります。常温で長期保存可能、かつかんたんに食べれる食品の安全性を確保する事はすごく難しい技術ではあるのですが、信頼できる製品とその製造再現性、ここが一番大事です。そして、それをよりおいしくする、さらにそれを多くのお客さんに知っていただく。その結果として事業が成長すると思っています。
また、事業構造として費用効率をもっと良くできるというのが課題感としてあって、広告は効率よくできるだろうとか、固定費ももっと効率よくできるだろうとは思っているものの、あまりやり過ぎると余力がなくなってしまう。2024年に守備を固めた結果、組織としての「遊び」が少なくなってきている課題感も持っているので、締めるところは締めつつ、いろんな発想が生まれる余力や遊びの部分はバランスを取っていきたいなと思ってます。
もう一歩いけるでしょ。
編集部:
「成長」を実現するために、チーム内や他部署の方々とどういったことを協力していきたいですか。
川南:
成長の余地というか「もう一歩いけるでしょ」という、社員のチャレンジを後押しできる仕組みを作っていきたいと思っています。
たとえば、ベースフードはデータを活用する文化は元々あるんですが、そこをもう一歩踏み出してみたり、あるいはトライしたことをちゃんと振り返るという部分は、より加速してやりたいですね。新しい事業や施策を試すとき、当然ユーザーさんのリアクションは分からないので、ある程度予測の部分だとか類似の事象から導き出して、こういうデータがあるのでこういう効果を見込んでやります、というのは最初は良いと思うんですが、その次も同じやり方だったら効率が悪いなと思うんです。初回の実績とそこから示唆されたデータ、そこから次はこんな効果も見込めます、あるいはこういうアレンジをしてもっと効率が良くなるよ、というようなサイクルを組織の意思決定プロセスに導入していきたいなと思っています。評価制度の中に、チャレンジを後押しする仕組みをいれたりだとか、やれる事は非常に多くあると思います。
このような仕組みの先に売り上げが何倍にもなったり、海外でたくさん売れる世界があるとは思ってるんですが、まずは足元を固めて実力をつけて伸ばしていく、そこに僕はフォーカスしたいです。
収益サイクルを激変させられる。
編集部:
2025年はここを乗り越えたいというような課題など、直近感じていることはありますか?
川南:
解約率を減らすのと、定期会員様の未購入率を減らすこと。直近の課題はこの二つだと捉えています。ユーザーになっていただいた方がすぐにやめてしまうのはもちろん、長期的に利用いただいてるユーザーさんの購入頻度が下がってしまうのは、これは突き詰めるとベースフードの製品の魅力を感じていただけなくなったのか、あるいはそもそも当社のサービスがお客様の課題を解消できていないのか、色々と原因はあると思います。
ただ、この壁を越えたとき、ベースフードの事業としての収益サイクルが激変します。事業の収益構造が変われば、得られた収益を違う成長の投資に回していける。事業としても色々とやりたい事はあるのですが、収益サイクルの変化が「成長」の最初の一歩目かなと僕は思います。
他ベースフード社員からのメッセージ「2025 “宣言”」はこちらからご覧いただけます。2025年のベースフードも是非ご期待ください。