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2025“宣言”|CMO 齋藤竜太

こんにちは。BASE FOOD note 編集部です。
「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」をミッションに掲げ、2016年の創業から8年が経過したベースフード。本記事では「2025 “宣言”」として、ベースフードのCMOである齋藤竜太に、2024年の振り返りと2025年の抱負や展望を聞きました。

“地盤”を固めた2024年。

編集部:
2024年を振り返って、どんな一年でしたか?

齋藤:
プロダクトやサービスの品質改善、商品開発フローの整備、新規チャネルの取組開始など、次の成長のための“地盤”を固めた、そんな1年かなとは思います。リスク対策など守備力を高めつつ、攻めとして新たな取り組みもし続けました。特に2024年は怒涛のように新商品を発売し、ユーザーさんへのインパクトも大きかったかなと思いますね。2023年の3倍以上、年間13種類も発売・改良することができました。プロダクトの品質向上を最優先にしながらも多くの商品の発売までやり切れたのは、社内でも大きな自信に繋がったなと思いますね。

編集部:
特に印象に残った成果などはありますか?

齋藤:
一つは、組織の中に商品企画やプロジェクトマネジメントの専門チームを立ち上げて、これまでよりもさらに市場調査や顧客インサイトから商品を生み出すような体制が整ったことです。そこから生まれたBASE BREAD こしあん はお陰様で大ヒットしていますし、BASE BREAD チョコレートに次ぐ人気の商品まで成長してるのは大きな成功体験かなと思っています。

もう一つは、全商品のパッケージを創業以来初めて大幅にリニューアルしたことです。ベースフードは原材料に主に自然由来の食材を使ってるこだわりをなかなか伝えきれていなかったんですが、パッケージを通してユーザーさんや店頭ディスプレイからも伝えられるようにアップデートできたということはとても大きかったかなと思っています。

編集部:
大変だったことや苦労話などあれば教えてください。

齋藤:
パッケージのリニューアルに関していえば、コンビニエンスストアはじめ新しいチャネルでベースフードが広がってきている中で、訴求すべき要素とBASE FOODらしさのあるデザインのバランスについて、様々な角度から議論してきました。中身が見えないことによる抵抗感、また全粒粉など主に自然食材を利用している点の訴求不足など、世の中の食品全体の傾向と比較した際に、以前のデザインは都会的でスタイリッシュだけど、少し独創的すぎてユーザーを狭めてしまわないか、みたいな議論はかなり重ねてきましたね。
結果的に、商品画像や素材の画像を用いたり、全粒粉の訴求を入れるなどでして、スタイリッシュなブランドイメージは担保しながらも、素材の拘りであったり、おいしさの表現の部分でも良いものができたのではないかなと思います。この秋に値上げしたタイミングでも売り上げは下がらず、解約率も上がらなかったという結果からみても、このデザインリニューアルは市場に受け入れられたかなと思っています。

齋藤:
海外展開に関しては、香港に加え、2024年は台湾とシンガポールに進出しましたし、米国での発売の準備も進捗した年でしたね。成分や表示の規制や物流面、関税など多くのハードルもあり、海外にどうやって攻めていくのかというのをすごく悩んだ一年でもありました。10月には、香港のセブンイレブンさんにも導入されたのですが、日本よりも売れている状況で、海外における成長の糸口を見つけられたのはすごく大きな出来事だったなと思っています。

編集部:
香港でも栄養食や高たんぱくの食品への意識の高まりなどは感じましたか?

齋藤:
日本ではたんぱく質とか栄養や機能が前面に出たような食品がここ10年位で大きく増えていますが、香港や台湾はこれから増えるのかなという状況です。外食中心の食習慣なので、自炊の手間を無くしたいというニーズは日本より薄いですが、潜在的に健康への不安ももちろんあるし、トレーニング文脈でたんぱく質を摂りたい人も多いです。その中で、高たんぱくでヘルシーな食品としてのブランドをベースフードが確立できれば市場の開拓者になれると思いますね。小売店のバイヤーさんも、大きな企業やブランドが寡占して大きな動きがなかったパンカテゴリーをどう成長させていこうかというときに、ベースフードというブランドはいい意味で異質な商品として期待をよせてもらっている状況です。

編集部:
香港に参入してみて、これは日本でも流用できるんじゃないかとか、逆輸入的なアイデアや施策などはありましたか?

齋藤:
生活者の気にしている健康に対するポイントが少し異なるんですよね。日本は高たんぱく低糖質などのニーズが高まっていますが、中国は高食物繊維や腸活、低GIっていうGI値に対する関心も高い印象です。低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにするため、栄養と同様に健康的な食事の大切な要素になります。低GIはベースフードの特徴の一つにもなり得るので、そういったポイントを日本国内でもきちんと伝えていくのも良いなと思いました。
あとは、中国も含めたアジア全体でなんですが、チョコレート味のパンってお菓子としての位置づけが強く、朝ご飯というよりはお菓子感覚です。ある程度サンドイッチとか、具材があるもしくは温かいものじゃないとご飯として認識されないみたいな部分があるので、そういった海外でのニーズの対応も含めてより食事感のある商材の開発というのは今後加速していくのではないかなと思ってます。

海外での成長を軌道に。新しい顧客体験を。

編集部:
2025年の目標について教えてください。

齋藤:
一つは、先ほどの続きになりますが、海外の成長を軌道に乗せることかなと思っています。2020年ごろのコンビニエンスストアで急拡大した前夜のような感じで、現地のバイヤーさんと話していても、他と比べられるような商品はないと評価してもらっています。オフィス街や病院、空港など、忙しい日常生活の中で栄養バランスを取りたいというニーズを拾いながら、パンカテゴリーの中では高価格で売れるというところで期待されています。実際に約100店舗でのテスト販売でも良い結果が出ているので、これはチャンスだなと思っています。
もう一つは、新しい顧客体験を作っていきたいと思っています。食品メーカーとしての立ち位置だけではなく、「健康をあたりまえ」にする新たなサービスを提供してベースフードの体験価値を進化・拡張させていくことで、旧来のメーカーとは違った成長を描くことができる。モノを作って販売するだけではなく新しい取り組みにもチャレンジしていきたいと思っています。

社会を巻き込んでいく。

編集部:
2024年から2025年の変化という視点ではいかがでしょう。

齋藤:
継続させるべきことはきちんと継続するというのはありつつ、その路線を変えることなく幅を増やすってことかなと思っています。基本は「かんたん、おいしい、からだにいい。」なんですが、より多くの方が望むのは「どのようなおいしさなのか」、「かんたんさはどこまでが許容されるのか」。朝の本当に忙しいときには、袋開けてすぐ食べられることが求められるかもしれないし、お昼ご飯などある程度しっかり食べたいときには、おいしさに対してある程度の手間かけられるかもしれない。そのようなシーン別により細かく見ていくことで、もっともっとトレードオフをなくしていきたいんですよね。

また変化でいうと、グローバルのチーム体制も変わり、国内のベストプラクティスをどんどん海外に反映させていく体制を構築しています。さらに、市場からの変化としては、ベースフードというブランドを育ててきたことで、他社さんから協業などのお声をかけていただくことが増えたことですね。これまで自社での開発、販売に集中していましたが、これからは志を共有できる他社さんとの協業や、政府の各省庁や自治体など、社会を巻き込んで、食で健康をあたりまえにする動きを加速させていきたいと思っています。

編集部:
課題や今後必要だと感じていることはありますか?

齋藤:
原点に立ち返ってユーザーさんへの理解をもっと深める必要があると思っています。これは創業時からずっとやってきたことでもあり、我々の強みでもあるんですが、海外のユーザー理解はまだまだ足りてないですし、時代の変化と共に新しい食シーンにおけるユーザー理解も足りてないので、そこはきちんと泥臭く頑張っていかないといけないと思います。この部分を疎かにせずに、継続的にやりきれるかどうかがポイントかなと思ってますね。それができれば、規制や物流、言語の壁は超えられるかなと思っています。

大きな挑戦のために、全てに連携を。

編集部:
部門・チーム間での連携についてはいかがですか?

齋藤:
先ほどの海外展開の話もそうですが、今年一年を通じて様々なことを乗り越えた結果、社内の横の繋がりが強くなったと感じています。他部門の施策にもどんどん意見を言い合える環境にもなってきてますし、新商品や品質改善、新チャネルや海外など、全ての領域で連携していきたいです。
日本発の食領域のスタートアップ企業として、グローバルで成功してる事例はほとんどないと思っていて、そういう存在になるんだという姿勢に社員のモチベーションも上がると思いますし、外部からの応援や協力が集まって大きなパワーになると思うんですよね。単に売り上げを上げてくっていうことじゃなく、大きな挑戦をしてるんだという姿勢と動きをとることで、各部門・チーム間の連携や外部パートナーとの連携をしやすくしていくというのが大事かなと思っています。

編集部:
最後に、ユーザーさんへ一言お願いします。

齋藤:
今後もぶれずにお客さんの期待を超える新商品やサービスをもっともっと出していきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします!

齋藤が2025年に掲げる一言は「挑戦」。

他ベースフード社員からのメッセージ「2025 “宣言”」はこちらからご覧いただけます。2025年のベースフードも是非ご期待ください。

最後まで読んでいただき誠に有難うございます!今後ともベースフードをよろしくお願い致します。