「ファッションと食」。好きなもの、美味しいものを食べて活力に、足りない栄養素は健康食品なども活用|orb.デザイナー・田村可那美さん
こんにちは。BASE FOOD note 編集部です。
今回は、ファッション業界で活躍されている方の食生活にスポットをあてた企画「ファッションと食」の第二弾をお届けします。
お話を伺ったのは、“シンプルでタイムレスな服”をコンセプトに、上質で洗練された洋服を展開するファッションブランド『orb.(オーブ)』のデザイナーである田村可那美(たむらかなみ)さんです。
在庫を持たず、受注販売をメインとした環境にも優しい洋服作りに取り組まれています。
商品のデザイン考案から進行、PRまですべての業務を行いながら育児も両立し、日常にうまく仕事を組み込みながら、無理せず楽しく働いているという田村さん。そんな田村さんに、ファッションや仕事のこと、そして食に関する考え方や、楽しみ方をインタビュー。食生活を通して、いきいきと仕事をし、活躍されている秘訣を探ります。
ずっと頭の中にあった思いをカタチに。環境に配慮しつつ、理想を突き詰めたこだわりの洋服を届けたい
編集部:
ファッションがお好きで、アパレルブランドで販売員やエリアマネージャーとして現場で活躍されてきたとのことですが、その後、ブランドを立ち上げることになった経緯をお伺いできますでしょうか。
田村さん:
アパレル会社では、かなり忙しかったこともあり体調を崩してしまって退職をして、その後、色々な接客の仕事に携わった後に、結婚をして出産をして、しばらく専業主婦だったんですが、その中で何か自分にできることはないかな、という思いがずっと頭の中にあったんですね。そこで、以前働いていた会社の人が洋服のお直しの会社で働かれていて、「やっぱり洋服が好きで自分でブランドを始めたいけれど、時代的にも在庫を抱えないで、ご注文を頂いた数だけ作って販売する、そういう形は無理ですかね?」という相談をしたところ、「じゃあうちでやってみる?」という話になり、『orb.(オーブ)』が誕生しました。
編集部:
ブランド立ち上げまでに、どのくらいかかったのでしょうか?
田村さん:
スタートさせてからは、半年以上ですね。初めてのことだったので、どうやって自分が着ている服が出来上がっていくかも分からないままスタートしました。私がデザインしていると言っても、画は描けないので、口頭で「こういう感じで、ここをもっとこうして、こういうのを作りたい」というのを伝えていくかたちだったので、一型作るのにそれだけ時間がかかりました。
シャツ一枚にしても、もう少しここがこうだったらいいのになとか、私は車移動が多いので、座って目的地に着いた時にせっかくアイロンをかけたのに、お尻の部分がしわくちゃだ…ということもあったり。どうにか良い素材はないかなど、自分の理想になるべく近いもの、100%の一枚を作りたくて、そこがすごく大変でした。何も分からない中で、手探りで作り上げたので。
ブランド自体もタイムレスに、流行り廃りなく好きな時にキレイに着られるものを、というところをコンセプトにしていますし、また上質な素材を使っているので、長く、本当に傷まずに着ていただけると思います。
編集部:
お仕事のやりがいはどういう部分ですか?また、業務はすべてお一人で担当されているとのことですが、具体的にどのようなことからどのようなことまでされていらっしゃるのでしょうか。
田村さん:
お客様からメッセージを頂く機会がありがたいことに多くて、「届きました。すごく素敵で、素材も思った以上のものでした」ですとか、そういう一言は、作り手としては時に涙が出る時もありますし、わざわざメッセージを送ってくださるので、温かいなと思ったり、そういうところにやりがいを感じます。
ポップアップを出店している時も、「直接会いに来ました」と言ってくださるお客様や、洋服を着て来てくださる方もいて、そういう瞬間は着てもらえているという実感が湧き、すごく嬉しいです。
業務は、作ること、縫うこと以外ですね。進行もですし、デザイン考案や、どう打ち出していくかなども全てです。インスタグラムを始めて6、7年経つんですが、日常でアップすることが通常の動きになっているので、ブランドの打ち出しも無理はせずに、流れの中でできている感じです。
食べることで体も心も元気に。食材もバランスよく、栄養もバランスよく。
編集部:
お話を伺って、ご自身でお仕事を進めていらっしゃるので、その分時間配分なども考えられて、うまく調整しながら働かれているのかなという印象を受けましたが、食事面で何か気をつけていることはありますか?
田村さん:
朝はちゃんと食べて、水分もしっかりとるようにしています。お昼は外食が多いです。
私、小麦が大好きなんですね。小麦が本当に好きすぎて、もう三食小麦をとっていた時期がありまして…。多分腸が荒れたんでしょうね、一時期もう肌荒れがすごくて。色々な方に相談をして、美容皮膚科にも通ったんですが、やはり小麦を少し控えた方が良いと言われました。でも大好きなので、朝昼晩どこかかは絶対小麦を入れています。そこは自分のモチベーションにも繋がりますし、好きな物ってやっぱりエネルギーにもなりますよね。小麦も好きな分、食材もバランスよく、栄養もバランスよく摂ることが大事だなというのも、ここ何年かで分かりました。
夕食は、娘もいるので17時から18時くらいには食べるようにしています。
編集部:
夕食は早めのタイミングで取るのですね。
田村さん:
早いですね。満腹になる時間が早い方が体に良いと聞いたので、寝る直前にお腹いっぱいにならないようにしています。年々、代謝も落ちていると感じるので、体型が崩れてしまうのも嫌ですし、娘の生活サイクルを整えたいというのもあって、なるべく早めに夕食は取るようにしています。
編集部:
意識して食べるようにしている食品や、栄養素はありますか?
田村さん:
生野菜は取ろうと思わないとなかなか取れないので、子どものためにもと思って生野菜を出したり、自分でも食べたりはしています。
あとは大豆系ですね。私は豆がちょっと苦手なので、加工品ですね。納豆や、あとはお豆腐とか、お味噌汁にも使いやすいですし。
色々なご縁を頂いて、健康や栄養面での講座というか知識を持たせて頂く機会が度々あるので、そこでどれだけ自分の体が良くない物におかされているかというのを、ひしひしと感じまして…。なので、ここ最近だと酵素も摂るようにしていますね。腸をキレイにしようというワードがすごく私の中に飛び込んできて、そういった部分で健康に良い食品を取り入れたりもしています。
編集部:
忙しい時の食生活についてですが、SNSで自分のことは後回しにしたり、省いてしまうというのを拝見しました。忙しい時でもこれだけは気を付けているということはありますか?
田村さん:
健康的な食材や食品をとるということと、あとは忙しい時でも何かを食べる、ということは意識しています。ある程度食べておかないと、次の日も疲れをひきずってしまう気がします。疲れているからもう睡眠を先に取りたい!という時でも、お腹が空いている状態で寝ると、あまりよく寝た気がしないというか、睡眠の質が良くないんだろうなと思う時も一時期ありました。何かしら口にするようにして、水分も取るなど、気を付けるようになりました。
編集部:
食生活によって仕事のパフォーマンスに違いがあるなと感じることはありますか?
田村さん:
小麦食品ばかりを食べてしまったり栄養が偏ってしまうと体調も壊してしまうので、食材もバランスよく、栄養もバランスよく摂るようにしています。あとは、やはりお腹が空いていると、駄目です。何か食べたいなという気持ちのまま仕事をすることになるので、集中力がなくなるし、そこは大いに影響していると思います。美味しい物を食べて、ほどよくお腹いっぱいになった後だと、頑張ろうって必然と体がそうなりますし、美味しい物を食べるってやっぱり良いですよね。
編集部:
食生活以外で健康に気を付けていることはありますか?
田村さん:
運動は昔からちょっと苦手でしていないんですけど、筋膜リリースはわりと長く続けられています。筋膜って、固まってしまうので、その固まった状態で何をしても体に対してアプローチできないらしくて、なので筋膜をほぐすことによって、代謝や姿勢、呼吸もよくなる、という部分があるみたいです。
最初は痛いんですけど、慣れてくると気持ちが良いんですよ。フォームローラーで広範囲にほぐしたり、あとはテニスボールを使って集中的にほぐしています。テレビドラマを見ながらとか、できる時に5分だけでもいいので、毎日続けやすいとは思います。
人生一度きり。わがままに生きていきたい
編集部:
仕事と育児を両立されていく上で、ストレスや疲れを溜めないように気を付けていることなどはございますか?
田村さん:
普段から、わがままに生活させて頂いて、わがままに仕事させてもらっている環境にいるので、とくにこれと言ってないんです。今、娘が11歳なんですけど、本当にしっかりしていて私が育てられているんじゃないかと…。すごくよく見てくれている分、心配をかけている部分もあるんでしょうね、すごく優しいです。そういった環境にいるので、ストレス発散とか、自分のために何か特別な時間を作ってというのは特になく、普段の生活リズムの中で、うまくバランスがとれている感じがします。
忙しい時でも、家に帰ってから何もしないでいいように、夫も気を使ってくれたり協力的です。私の母も含めて、みんなが応援してくれているので、それが活力だし、ストレスにならないという感じです。
編集部:
最後に、将来の夢についてお聞きかせください。
田村さん:
そうですね、『orb.』は信念をもって始めたブランドなので、それをどんな形であっても細く長く続けていけたらな、とは思っています。その中で色々な人と関わりをもって、自分も成長していきたいですし、知識ももっともっと増やして、せっかく一度きりの人生なので、本当にわがままに生きていきたいと思います。
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